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お知らせ

寺報 花だより vol.30 令和6年 盂蘭盆施餓鬼号 より

2024年6月29日掲載

 大きな地震で幕を開けた令和六年も、あっという間に半年を迎えようとしています。未だ復興の兆し見えない能登の皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。加齢とともに月日の経過が速まることを実感するようになりましたが、誤解を恐れずに言えば「あっという間だったね」と思えるのは、その間、特段の怖い目にも悲しいことにも出遭わずに、安泰な日々を過ごすことができた証とも言えるのではないでしょうか。当院では平素より募金箱を設置、浄財勧募を行っており、皆様からのお志を日本赤十字社を通じ被災地に送金しております。未だ水道も復旧してない地域もある現況に思いを致し、引き続きご協力をお願い申し上げます。

 さて、お盆には亡き人への感謝の印に、お家にはお盆飾りに季節の野菜等をお供えし、お経やお香を捧げ、お墓にはお塔婆を建立します。尤も、人の心や家族の形は千人千通りですから、だれもが教科書どおりの供養や、等しい感謝の念を向けることはできません。中には親に感謝することができない、というかたもいるでしょう。が、感謝できない親の姿は、その人間性のほんの一面にすぎません。親とて人の子、現世での修行中、うまく子に伝えることができなかった親もいることでしょう。また、空海大師曰く、「賢者の説黙は時を待ち人を待つ」。良き親は、より深い理解を子に伝えようと、子が教えを素直に受け入れる準備ができているか、そのタイミングを見極め言葉を発し、時には沈黙も貫くという苦渋の選択すらしているのです。

お盆の季節、ありし日の「おかげさま」に感謝を向けて、良きご供養に努めていただきますようご案内申し上げます。

南無大師遍照金剛                                               功徳院 住職 松島龍戒

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