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お知らせ

寺報 花だより vol.32 令和7年 節分星祭り号 より

2024年12月1日掲載

 能登半島地震で幕を開けた令和六年 も、終わりに近づいています。豪雨災 害にも追い打ちをかけられ、今なおご 苦労されている被災地の皆さまに心よ りお見舞い申し上げます。  私たちは、災害や老病死など苦難の 経験から、どんなに祈っても願いが叶 わないことがあると知り、「どうせ無 理だ」と諦めの言葉を口にすることが あります。しかし、私たちの心には本 来、無限の可能性が秘められているの です。  先日、どうしても子供たちに見せた いと思い立ち、福島県いわき市の「ハ ワイアンズ(旧常磐ハワイアンセンタ ー)」を訪れました。  高度経済成長期、かつて炭鉱の町と して栄えたこの地は、石油エネルギー の台頭により炭鉱が閉鎖され、深刻な 経済危機に直面しました。そんな中、 町の人々は豊富な温泉資源を活かし、 新たな観光施設を作るという挑戦を始 めました。それがハワイアンズの産声 です。「こんな寒い炭鉱の町にハワイ なんて作れるはずがない。」多くの人 がそう嘲笑する中、当初、一握りの人 々が抱いた信念は、やがて多くの人々 の心を動かしていきました。特に象徴 的なのが、炭鉱の娘たちによるフラダ ンスショーです。未経験だった彼女た ちは厳しい稽古を重ね、その努力は観 光の中核を担うまでに結実しただけで なく、女性の新しい生きかたを示し、 逆境に立ち向かう希望の象徴にさえな ったのです。  ハワイアンズ創設のエピソードは、 『フラガール』という映画を通じて全 国に広まりました。その後も東日本大 震災をはじめ、幾多の困難に見舞われ ながらも、世の変化に向き合い続け、 今なお多くの観光客を迎えています。  人生は短い――。しかし、ひとたび 宿した一念は、時に無限大の結果を生 む可能性を秘めています。そんな一念 のことを、仏教では本来だれにでも平 等に備わっている「仏性」と呼び、こ れに気付くことの大切さを説いていま す。  来る年頭祈願には、皆さまの一念を 仏さまにお届けし、その思いが花開く よすがとなりますよう、謹んでご案内 申し上げます。                     功徳院 住職 松島龍戒

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