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お知らせ

寺報 花だより vol.21 令和4年 花祭り号 より

2022年2月27日掲載

■およそ2500年前の北インド、戦乱の世を生き抜かなければならなかった弱小国・シャカ国の王子としてお生まれになったお釈迦さま。その産声と伝えられるお言葉が、この「天上天下唯我独尊」です。■人はだれもが、かけがえなく尊い存在である――。■人種、性別、身分、家柄はむろんのこと、学歴、職歴、知力、体力、年齢、思想の差などによって人は優劣をつけられるべきでない。あなただけに与えられた価値を生かし、この世での役割を見つけ、全うすることができる――。■お釈迦さまは、この世で発せられた最初のお声で、そんな真理をお説きになられたのです。■一見あたりまえ、それでいて有史以来机上の理想論だった「個性の尊重」も、近年ようやく世に浸透し始め、今ほど個性が重んじられる時代は、かつてなかったように思えます。■戦乱さながらのコロナ時代を生き抜くために今、「個性」が求められています。そして個性を貫くために、時に「変化」する強さを持つこと。シャカ国は、変わることができなかったために、国を残すという使命を全うすることができず滅びました。■コロナによる職業転換や、加齢や病気による体調の変化、成長に伴う家族の形の変化――人は変化を受け入れることが苦手ゆえに、日々、苦しみますが、四苦八苦の世を生き抜くために、必要な強さでもあるのです。■お彼岸は、今を生き抜く私たちを応援してくださるご先祖さまを想い、現世を幸せにする期間。よきお参りとなりますよう、寺内一同、心より願っております。                                           合掌              

                                          功徳院住職 松島龍戒

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